圧縮・解凍余話

   ある人が、Eメールに添付されてきた圧縮ファイルが解凍できない、 と言ってきた。LhaやZIP形式のファイルの解凍ならいつもして慣れている 人なので、たぶん添付ファイルがそれ以外の圧縮形式らしい。
   圧縮形式には、日本国内でよく使われるLha形式(拡張子「.lzh」)と、 世界標準といえるZIP形式(拡張子「.zip」)のほかにもたくさんある。 UNIXマシンでよく利用されるTAR形式(拡張子「.tar」)や GZIP形式拡張子「.gz」)、マイクロソフト社の配布するソフトに 使われるCAB形式(拡張子「.cab」)などもある (下の表)。

主な圧縮形式と拡張子、解凍に必要なライブラリーファイル
※このライブラリーがなくても解凍可能なソフトもある。
圧縮形式拡張子必要なライブラリーファイル名
Lha.lzhunlha32.dll※
ZIP.zipunzip32.dll※
CAB.cabcab32.dll
TAR.tartar32.dll
GZIP.gz
TGZ.tgz
ARJ.arjunarj32.dll
RAR.rarunrar.dll+unrar32.dll
それぞれのファイルを元に戻すには、それに対応したソフトを用意しなければ ならないのは言うまでもない。
   受け取った添付ファイルの拡張子は「.tgz」であった。これはTAR形式+GZIP形式の圧縮 ファイルなのである(TAR形式は、正確には圧縮でなく、複数のファイルをまとめる 一つのやり方。だからTAR形式でまとめたファイルはさらに圧縮されるのが一般的。)。
   多機能な圧縮解凍ソフトなら、上記の圧縮形式には十分対応している。 その人の使っているLhaユーティリティ32もその一つ。なのに、なぜ解凍できない のかといえば、面倒なことに、圧縮解凍ソフトはそれだけでは機能しないことが 多いのだ。きちんと機能させるには、Lha形式なら「UNLHA32.DLL」、 ZIP形式なら「UNZIP32.DLL」という具合に、圧縮形式に対応した「ライブラリー」 (拡張子「.dll」)と呼ばれる外部ファイルを用意する必要があるんですね。 この場合、TAR+GZIP用のライブラリー「TAR32.DLL」が足りなかったのである。
   ライブラリーのほとんどは「フリーソフト」として、いくつかのホームページから ゲットすることができる(圧縮解凍関連のソフトやライブラリーを 手に入れるには、「統合アーカイバー」http://www.csdinc.co.jp/archiver/index.htmlが便利。)。 しかしLha, ZIPの2つの形式はきわめてメジャーで、ライブラリーがなくても 解凍可能なソフトもあるほどである。逆にマイナーな形式で圧縮解凍をするには、 ライブラリーが別途要る。
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